他人事ではありません その⑩<新型コロナウィルスと企業のリスクマネジメント>

新型コロナウィルスの影響により、多くの企業がリーマンショックを超える業績の悪化。来期の業績見込みが予測不可能となりました。資金繰りに行き詰まり歴史ある企業が倒産…。従業員を解雇した企業も少なくありません。感染拡大防止と事業存続の板挟みで経営者の皆様は苦渋の決断を何度も迫られたと想像されます。

保険マーケットでは、上場企業におけるD&O(会社役員賠償責任)リスク、(具体的には、有価証券賠償請求や株主代表訴訟)増。職場での新型コロナウィルス感染等によるEL(使用者賠償責任)リスク、従業員解雇やリモートハラスメント(上司による執拗な業務確認や私服などへのセクハラととらえられるような発言)等によるEPL(雇用慣行賠償)リスクが増加傾向にあります。加えて、長引く在宅勤務により従業員の孤立や鬱等のメンタルヘルスへの影響も気を付けなければなりません。

このような不確実かつ広範囲(全世界)なリスクに対し企業はどのようにリスクマネジメントを実施し、事業継続していけば良いのか考えてみたいと思います。
BCPや企業の非常時におけるコンサルティング専門家の社会情報大学院大学 広報・情報研究科 白井 邦芳教授は「事業継続の優先課題と対策」について、以下の様な事業継続態勢を整備しておく必要があると述べられています。【以下、社会情報大学院大学  広報・情報研究科 白井 邦芳教授の資料より】

<市場および需要の変化への対策>
・感染症対策体制の検討・確立
・危機管理体制の整備(意思決定方法の検討、通常時の体制の運営)
・情報の収集と共有体制の整備
(発生時における情報収集、連絡体制の整備、従業員の情報提供体制の整備、従業員確保)
・事業縮小・事業停止を想定し、事業項目の細分化・優先順位を予め設定

<従業員の大量欠勤への対策>
①従業員への安全配慮義務
・職場における感染リスクの評価と対策
・事前準備
・海外勤務する従業員等への対応
・感染地域への移動を制限し管理下に置く
・在宅勤務や保健所からの指導により外出を制限された場合に備え備蓄を行う
・感染の疑いが懸念される役職員、その家族の症状を報告する態勢を構築、早期発見に努める

②事業継続のための必要な人員、スキルの確保
・決済者・高アクセス承認権限者・経営陣の早期在宅勤務の実施
・ITを駆使し、高度なセキュリティ環境下での完全なモバイル労働環境の整備

<インフラの制約もしくは事業停止への対策>
・多面的な態勢づくり
・複数の対策を総合的・効果的に組み合わせ、バランスのとれた戦略の構築
・各事業の個別工程を細分化し、小グループに分離して感染の確率を低下
・業務プロセスのうち、自社内で完結できる業務を事前検証

<感染時犯罪リスクへの対処>
・不正アクセス等によるサイバーテロ対策
・ソーシャルメディア等でのフェイクニュースによるブランドリスク対策
・詐欺犯罪の増加に伴う司法当局との連携
・休業時の社会インフラに対する空き巣等の犯罪防止対策

事業継続計画の段階的着手イメージ

ここまで社会情報大学院、白井邦芳教授の資料提供

今回、多くの企業が「テレワーク」を導入されましたが、オンライン会議ソフトにマルウェアが添付され、オンラインクラス中に無関係な第三者による迷惑行為(不適切な動画が再生されたり)が横行しました。また、脆弱なネットワークセキュリティのサプライチェーンを入り口にした大手企業へのハッカー行為など、サイバーリスクは高まっており、サイバーセキュリティの確保は企業にとっては必須と言えます。以上
株式会社エヌアイビー  園田久実

※上記コラムは企業のリスクマネジメントにお役立ていただくことを目的として情報提供させていていただいております。
※上記コラムは弊社が講演等で得た情報、資料を弊社にて解釈、翻訳したものであり、正確性を保証するものではありません。また、事案等の正確性を保証するものではありません、また、事案そのものに対する批評その他を意図したものではありません。


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