保険仲立人によるコラム 2017.8.1

他人事ではありません その⑥<守ってくれるのは会社?それとも役員賠償保険>

この事態を一体誰が想像できただろう。6月23日、大手電機メーカーの東証二部降格が決定した。2015年の不適切会計問題、翌年は原子力事業における巨額損失が発覚、追加調査等に時間を要することから17年3月期の有価証券報告書の提出は8月に延期された。このままでは上場廃止の可能性も…

一連の事象の責任は、現在の役員のみならず当時の役員までさかのぼり責任追及されることは免れないだろう。役員には「善管注意義務・忠実義務」が課せられており、違反した場合、株主などから損害賠償請求を提起される・・・。そのようなリスクに備えることができるのが「会社役員賠償責任保険(以下、D&O保険)」です。 ※2017年4月には民間企業のみならず「社会福祉法人」や「医療法人」においても役員個人の責任が明文化される法改正がなされました。



D&O保険は、大きくは「役員個人の補償」と「会社の補償」から構成されています。(右図参照)「役員個人の補償」は、役員が株主や第三者等から損害賠償請求を提起された場合にかかる「初期対応費用」や「争訟費用」、「法律上の損害賠償金」等をカバーする。また、社外役員・相続人を特別に補償することもできる。「会社の補償」は、「提訴請求対応費用」や「第三者委員会設置費用」等、各種費用をカバーすることもできる。また必要に応じて「法人雇用慣行賠償特約*1」や、上場企業であれば「法人有価証券賠償特約*2」を付帯することも可能です。
D&O保険の構成イメージ

今年4月、国内大手損害保険会社でD&O保険の商品改定が行われた。今回の商品改定で、外資系損保並みの補償内容に改定されているが、一部の補償については外資系損保の方が優位と考えられる。もともと賠償責任保険は、外資系損保の得意分野であり、ノウハウが構築されていることも大きい。
購入の際には補償内容の比較のみならず、スピーディな試算・対応、クレームサービスがどのようになっているか(事故受付体制・弁護士ネットワーク等)も重要なポイントだ。また、保険会社との交渉には専門的な知識も必要となるため、購入の際には保険仲立人(保険ブローカー)を選ぶことをお勧めします。以上


参考)国内損保(従来商品・新商品)・外資系損保(従来商品)補償内容比較例
※上記は事例です。特定の保険会社の商品について示したものではありません。
※支払限度額、補償内容は交渉等により修正される場合があります。

*1「法人雇用慣行賠償特約」とは
ハラスメントや不当解雇、雇用上の差別行為を理由に法人が損害賠償請求を提起された場合に法律上の場損害賠償金、争訟費用を支払うもの  ※国内のみ 「雇用慣行賠償責任保険」単体での購入も可能。
*2「法人有価証券賠償特約」とは有価証券報告書等の開示書類の不実記載があったとして法人が株主から損害賠償請求を提起された場合に法律上の損害賠償金、争訟費用を支払うもの  ※国内のみ


Lawyer's eyes

コーポレートガバナンスの強化の視点から、企業不祥事に際して役員個人の賠償責任を追及することも当然と感じられる時代になってきました。
問題は、賠償責任を追及されかねないことによる萎縮効果として、大胆な経営判断が困難となることや、役員就任を拒まれるケースが生じることです。


私が相談を受けた事案では、売掛金が未回収のままになっていたことが意図的に隠されており、発覚した際に、当時の担当者だけでなく、その部門の取締役に対する責任追及も行われることとなった事案がありました。現実の問題として、役員の目が届かないところで従業員が損失を生じさせるような取引に関与していたとしても、部門の責任者である取締役は責任を追及されれば対応せざるを得ず、最終的に責任がないと判断されたとしても個人で弁護士を立てるために相当な費用がかかります。反対に、責任を追及する側、例えば企業にとっては、賠償保険があるかないかで回収可能性は大きく違うので、賠償請求が実効的になります。このような意味で、役員賠償責任保険は役員自身の利益にも会社自体の利益にもなる、ということが言えるでしょう。


弁護士法人 本江法律事務所 代表社員  弁護士 本江 嘉将
福岡市中央区天神2丁目8番41号 福岡朝日会館7階
TEL 092-713-0307

※企業のリスクマネジメントにお役立ていただくことを目的として情報提供させていただいています。※事案などの正確性を保証するものではありません。また事案そのものに対する批評その他を意図したものではありません。


会社役員賠償責任保険(D&O保険)の試算には、各社所定の告知書への回答、非上場企業の場合は決算書(2期分)等が必要となります。1週間ほどで試算可能です。※外資系損保の場合



「法人保険コンサルタントコラム」一覧へ戻る
お気軽にお問い合せください

経験豊富な企業保険専門のスタッフが貴社のリスク対策・保険料削減を親身にサポート致します。

フォームによるお問い合わせTEL 092-502-4002 FAX 092-502-4066
保険仲立人によるコラム
弊社の事故対応について
弊社スタッフ紹介
媒介実績のある保険会社
採用情報

株式会社 エヌ アイ ビー

〒812-0014 福岡市博多区比恵町1-30-202
TEL: 092-260-9102 FAX: 092-260-9103
財務省福岡財務支局長登録:第4号 蔵銀第1427号
勧誘方針プライバシーポリシー