保険仲立人によるコラム 2013.11.1

企業内代理店<グループ内代理店の行方>


少し規模の大きな企業を訪問すると、二言目には「うちはグループ内に保険代理店を持っていますから…」という言葉が返ってくる。「保険の営業ならお断り」という意味で発せられるのであろうが、このグループ内に保険代理店を設置するという日本独特の保険流通形態はいつごろから行われるようになったのだろうか?

 

橋本内閣の下で日本版金融ビッグバンがおこり、料率自由化・生損保相互乗入れ・保険仲立人(保険ブローカー)制度の導入が掲げられた。あれから約17年、個人保険における流通形態はネット販売や複数保険会社の委託を受けた来店型保険ショップなど、大きな変化をもたらしたが、法人保険・企業保険に関しては、いまだに一定規模の企業に対し保険会社が代理店設置を促す(効率の悪い企業内代理店は整理)という形を踏襲している。

 

なぜ日本ではグループ内に代理店を設置するという流通形態がここまで発展したのか。それは、保険自由化までの長い間、大蔵省(現金融庁)による規制業種(統一商品、統一保険料)であったからだといえるだろう。どの保険会社で加入しても全く同じ内容で同じ保険料という環境下では、企業側からするとグループ内に代理店を設置し、子会社の代理店で保険加入すれば、代理店手数料分だけ保険料割引効果が得られることになる。一方、保険会社側からすると企業グループ内に代理店を設置することで親会社の保険契約を獲得できるという双方の利害が一致した為、代理店の質は別としてグループ内保険代理店が乱立したのである。

保険業法第295条 損害保険代理店及び保険仲立人(保険ブローカー)は、その主たる目的として、自己又は自己を雇用している者を保険契約者又は被保険者とする保険契約の保険募集を行ってはならない。

 

本来、保険業法では、自己契約・特定契約を目的とする保険代理店の設置は認められていない。自己契約・特定契約比率が50%超の代理店は登録取り消しなどの行政処分されることになる。しかし日本の法律特有の様々な例外規定により、本来の趣旨がゆがめられているという問題点を含んでいるのも現状である。


現実には、企業としては代理店手数料分だけ保険料割引が図れるため、コスト削減方法、本業以外の収益獲得方法としてグループ内に代理店設置をしているケースが多い。但し、留意しておかなければならないのは、あくまでも保険会社間での競争原理が働いた上での話であって、1保険会社だけの代理店の場合、保険料を高掴みしたうえで手数料を受取って得した気になっているケースも見られる。グループ内代理店からすると保険料のコストダウンは即ち、自己の売上減少につながるという親会社との利益相反の立場に立ってしまっていることも保険会社に有利な状況を作らせているといってよいだろう。

保険料は定価で
保険料は安く
定型商品
利益相反
補償は広く
保険会社の方針に沿った活動
企業の実態に即したリスク対応

企業規模によっても異なるが、特に1保険会社だけの代理店をしている場合は、委託保険会社からの情報を保険業界全体の情報と思ってしまうケースが多い。中堅保険会社や外資系保険会社も含め様々なリスクソリューションを準備し、ミスジャッジのないように留意する事が重要だ。そういう意味では、全保険会社とのつながりを持ち、企業リスクマネジメントについて高い専門知識をもった専門家をコンサルとして導入し、保険契約は自社保険代理店で行うといったスキームも有効だろう。

また、大企業においては、業法における自己契約・特定契約の例外規定が本来の形に法改正されるかもしれないというリスクが存在していることも認識しておかなければならない。企業リスクマネジメントという企業経営の根幹にかかわる事案であるからこそ、そうなった際の受け皿としてどの保険流通チャネルを選択するのが最も適正か、今から検討しておくべきかもしれない。

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