保険仲立人によるコラム 2013.9.1

値上げの秋<自動車保険・傷害保険料率改定>


この秋、食品やエネルギー分野を中心に値上げの動きが広がっている。主に円安・原料高・飼料価格高騰などによるものであり、輸入小麦・ハム・ソーセージなども値上げが予定されているようだ。このような中、人知れず保険業界でも10月1日より身近な保険商品の値上げが行われる。

 

今春、新聞報道されていたが自動車保険・傷害保険の保険料が10月1日より大きく値上げとなる。これは保険業界全体の収支(収入保険料と支払保険金)の採算が合わない状態がつづいているためで、保険料の基準となる参考純率(料率算出機構が参考値として保険会社に提供する料率)改定にともない、ほとんどの保険会社で料率改定・約款改定が行われることになっている。


最も身近な自動車保険(1契約10台未満の場合)では、単に保険料がアップするだけではなく、無事故割引の仕組み自体が大幅改定され、事故による保険金支払のあった契約者については、これまで以上に保険料がアップする仕組みとなる。例えば、無事故等級17等級でも16等級から無事故で17等級に上がってきた契約者と20等級から事故があって17等級に下がってきた契約者では、同じ17等級でも割引率に17%も開きが出ることになる。


◆例)現在20等級で3等級ダウン事故が1回あった場合

10月以降、自動車保険の無事故等級は、「事故なし等級」と「事故有等級」とに分けられ、事故により保険を使うと、その後3年間は事故有等級を適用される仕組みとなる。この無事故等級と無事故割引の仕組みは非常にわかりづらい仕組みとなるため、詳細については、ご契約の代理店などに確認して頂きたい。要は、保険を使った契約者から保険料を多く回収しようということで、これまでは「3万円程度であれば保険を使わずに自己負担しておいた方が有利だ」などと言えたものが今後は「10万円程度の修理であれば…」というようになる。せっかく加入している自動車保険ではあるが、軽微な損害ではこれまで以上に保険が使いにくくなると言えるだろう。

 

もうひとつの大きな改定が傷害保険である。これまでのように単に値上がりだけでなく約款改定も同時に行われるのが今回の特徴で、その中でも補償範囲を狭める内容の改定が目立つような気がする。こちらも参考純率の改定に伴うものだが、参考純率が平均15%上がるため、それに合わせて各社ごとに保険料を引き上げる。

傷害保険というと個人で加入する普通傷害・交通傷害・海外旅行傷害・国内旅行傷害などをイメージされがちであるが、企業にとっても今回の改定は大きな影響を及ぼすことにもなる。それは、労災の上乗せとして加入している傷害保険ベースの「任意労災保険」のような商品も同じように値上げの影響を受ける事になるからだ。任意労災の多くは企業の売上高に業種ごとの労務費率を乗じて概算人数を算出し保険料を計算する仕組みをとっている。今回はベースの料率改定と同時に、この労務費率の見直しも行っている保険会社もある。つまり、料率アップと労務費率の見直しによるダブルの影響で、ある保険会社では建設業で約51%、建築業(その他)では約75%も保険料が上がるところもあるようだ。

 

保険自由化以降、収支を度外視した保険料の割引競争が行われてきたことや、社会全体が高齢化社会になってきていることなどにより収支の悪化を招き、結果として制度改定を伴う保険料の大幅アップという形となってきている。いつも思う事だが、保険料アップの案内はお客様へは更新直前になるまで案内されない事が多い。10月以降、加入している任意労災が満期を迎える際、耳を疑うような保険料提示を受けるケースも出てくるであろう。既存取引の代理店は大事にすべきではあるが、そうも言っていられない領域まで来ているのも事実だ。今後、保険会社選択・商品選択そしてそれらを仲介する代理店・ブローカー選択の必要性がますます問われることになりそうである。

 



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