保険仲立人によるコラム 2013.8.1

企業オーナーの相続問題<自社株と不動産>


この数か月程、オーナー企業の経営者の方々と事業承継と相続対策についての話をさせて頂く機会が続いた。どの社長も切実な問題としての意識はあり、「何か対策を打っておかなければ残された遺族(配偶者・子供)が大変だ」という気持ちがあり、先代社長が他界した際、相続税の納税で苦労された経験をお持ちだという共通点があった。

 

自分が死亡した後の話というとタブー的な雰囲気があり、正直おもしろい話ではない。相続で苦労した経験のない方は、「自分が死んだ後の話などするな!」というような空気を出している方もおられるが、相続が発生してから(死亡してから)では何の対策も打てないという事も事実である。自分の生きている間に問題がなければそれでいいという方はそれでも良いかもしれないが、配偶者・子供、会社・従業員の幸せを考えるのであれば、自分の死亡した際にどのような事が起こるのかだけは最低でも把握しておくべきだろう。


●相続税納税額はどの程度で、その資金はあるのか?


●事業を長男が引き継ぐとして、自社株を長男が全て相続できるか?
(自社株を兄弟で分割相続すると会社の支配権が分散され、経営に支障をきたすことも…。)


●会社を 継いだ長男と継がなかった長女とで納得のいく分割ができるのか? (譲る立場の親は、「うちの子に限って」と思っているが、貰う立場の子は、「貰えるものは少しでも貰いたい」というのが本音)

企業経営者で最もポイントとなるのが自社株と不動産の問題だ。この自社株の評価によって、納税額が莫大になることも少なくない。中小企業経営承継円滑化法が施行され、取引相場のない株式は一定の条件を満たせば評価額を80%減でき、相続税を猶予(免除ではない)できるという法律が施行されているが、安易に利用して良いものか?80%の評価減という言葉だけが先行して、それに伴う条件はあまり知られていないのも事実で、よくよく検討する必要があると思う。以下にそれらの要件を記載する。

 

<取引相場のない株式の相続税納税猶予制度(経営承継円滑化法による)の条件>

● 5年間は事業承継した者が代表を務めること
● 5年間従業員数の80%を確保すること

● 5年間毎年、経済産業大臣に事業継続報告書を提出し、確認書の交付を受け、その確認書

   とともに継続届出書を税務署長に提出すること

● 5年経過後は、3年毎に継続届出書を税務署長へ提出すること
● 原則、納税猶予の対象となった全株式を担保として提供すること
● 猶予された相続税が免除されるのは、相続した者が死亡した時などに限られる
※その他にも細かな条件はあるが、全体のイメージをつかんでもらう事を目的として 概要のみ列挙、
詳細は中小企業庁のHPや顧問税理士にご確認頂きたい。



『経営者の死亡保障(必要保障額) = 事業保障資金+死亡退職金+弔慰金』

『事業保障資金 = (短期借入金+買掛金+支払手形)×2+従業員の年間給与』

『死亡退職金 = 最終報酬月額×役員在任期間×功績倍率』

『弔慰金 = 業務外死亡の場合、賞与を除く給与の6ケ月』


生命保険の募集人は、よく「経営者の生命保険における必要保障額は、上記の公式によります。退職金は上記公式までは非課税で受け取れます」などと決まったように口にする。「現在の月収200万、役員になって20年経過、代表取締役としての功績倍率3倍として1億2,000万円が社長の退職金額の概算です。」などと平気で口にする。恥ずかしながら、以前は私も同じようなセリフを口にしていました…。


しかしながら企業というのは、財務状況・営業形態など企業ごとに千差万別で、本来はその企業の決算書(B/S)から会社としての必要額の算出。相続税納税額からの死亡退職金額の逆算。そして遺族の生活費など、さまざまな観点から退職金額や生命保険の死亡保障額を決定すべきなのだが、残念ながらそこまでコンサルできる生命保険募集人が少ないのが現状だ。

相続・事業承継の問題は、社長の家族構成や企業の財務状況、社長の個人資産を加味した相続税納税額との関係など様々な要素を織り交ぜて検討していく必要があり、じっくり腰を据えて取り組んでいくべき課題である。まずは信頼できる相談相手と現状分析を行い、問題点を洗い出す事からはじめることが重要だ。問題が明らかになると、それに対する対策は比較的容易に立てられるはずだ。



「法人保険コンサルタントコラム」一覧へ戻る
お気軽にお問い合せください

経験豊富な企業保険専門のスタッフが貴社のリスク対策・保険料削減を親身にサポート致します。

フォームによるお問い合わせTEL 092-502-4002 FAX 092-502-4066
保険仲立人によるコラム
弊社の事故対応について
弊社スタッフ紹介
媒介実績のある保険会社
採用情報

株式会社 エヌ アイ ビー

〒812-0014 福岡市博多区比恵町1-30-202
TEL: 092-260-9102 FAX: 092-260-9103
財務省福岡財務支局長登録:第4号 蔵銀第1427号
勧誘方針プライバシーポリシー