保険仲立人によるコラム 2013.5.1

保険会社との上手な付き合い方<共同保険>


保険契約の方法で「共同保険」という方法をご存じだろうか?損害保険の大口契約をしている企業では比較的利用されているが、中小企業においてはその存在すら知られていない事が多い。今回は、この中小企業においてはあまり知られていない「共同保険」という契約方法について記載する。

 

そもそも「共同保険」というのは、自動車保険や火災保険などのような保険の種類ではなく、ひとつの契約を複数の保険会社で共同して引受ける仕組みの事である。例えば火災保険を東京海上と契約しているとする。それを東京海上(幹事会社)と損保ジャパン(非幹事会社)で60%:40%で共同で引受ける、といった具合だ。その際、幹事会社と非幹事会社及び分担割合はお客様企業が自由に決めることができ、手続き上も幹事会社とだけ申込手続及び保険料支払手続を行う。引受けた幹事会社は非幹事会社と引受割合に応じた保険料のやり取りを行い手続は完了する。万が一、保険金支払いが生じた場合、保険会社は責任割合に応じた保険金を独立して負担するが、実務上は幹事会社が一括して保険金を支払った後、非幹事会社に引受割合分を求償する形をとっている。


つまり、保険会社1社と契約をした場合と共同保険の形をとった場合とで事務手続面及び保険金支払面でお客様企業としては実務上殆ど違いがない。あえて言うならば保険証券の備考欄に「共同保険 幹事:○○海上60%:非幹事○○火災40%」などと記載されることと申込書類に分担契約明細表が一枚増える程度である。

一部の大口契約では頻繁に利用されている「共同保険」だが、実は意外と身近な所でも利用されている。その代表的なものが平成25年3月末まで住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)で取扱っていた特約火災保険である。機構で融資を受け建物を購入した場合、通常特約火災保険という保険に加入していた。この特約火災保険がまさに「共同保険」という形をとっており、証券にも記載があるが、2012年度は損保ジャパン25.06%、東京海上日動22.01%、あいおいニッセイ同和13.78%といった具合で全17社(詳細は支援機構のページ参照)で皆様の自宅建物を補償している。また、学生総合保険や商工会議所で募集している中小企業PLや所得補償なども「共同保険」の形態をとっている。



 

この共同保険、上手く利用していくことで企業としては特定の保険会社だけでなく複数の保険会社とより良い関係を構築していくことができる。例えば保険更新の度に複数の保険会社から見積りをとっている企業の場合、毎年採用されない保険会社からしてみると「この会社は見積ばかり依頼してきて全く実績にならない」ということで見積もり提示を断ってきたりという事もありうる。

そこで見積もり合わせで最も有利な条件を提案してきた保険会社を幹事会社とし、そのほかの会社は非幹事とする事で複数の保険会社と良好な関係が築けると同時に様々な情報がとりやすくなるといったメリットもある。


また企業の場合どうしても特定の保険会社、特定の代理店を外せない事情がある。しかし特定の会社だけの情報に偏ってしまうと、保険料水準や補償内容が適正か判断がしにくくなってしまう。弊社でリスク診断を行った企業では、系列や本業の取引関係、その他血縁関係などで保険会社がほぼ固定されている場合、保険料がほぼ定価に近い形で契約していたり、ひと昔前の補償内容だったりと効率的なリスク管理に関して弊害がでているケースが多かった。このような場合も幹事会社はこれまでの保険会社、非幹事として別の保険会社を入れ保険会社同士をけん制させるスキームを作るのも有効な手段だといえるだろう。


注意しておかなければならないのは、必ずしも全ての保険で共同保険の形が取れるというわけではない。保険は約款に沿って補償を行うもので共同保険の非幹事を引受ける会社は幹事会社の約款の認可を持っている必要がある。自動車保険のフリート契約や火災保険などは比較的共通の約款を持っているが、オリジナルの賠償保険などは共同保険になりにくいといった現状もある。


企業のリスクマネジメントを効率的に行う上で保険会社と良好な関係を築いて行くことは需要だが、過度に保険会社・保険代理店を特定すると新たな提案や保険料削減提案が出てきにくくなることだけは意識しておいてほしい。そういった意味でも「共同保険」などを利用し複数の保険会社からの情報をとれる状況を作っておくことも効率的な企業のリスクマネジメントにおいて重要な事ではないだろうか。

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