保険仲立人によるコラム 2013.1.1

生命保険と保険税務<逆ハーフタックスプラン>


生命保険を使った「節税」「利益の繰り延べ」という切り口で、これまで様々な保険商品が利用されてきた。逓増定期保険、ガン保険、長期傷害保険など様々な商品が開発され、その度に税務通達が出て全額損金から1/2損金あるいは1/4損金にと損金性が抑えられてきた。このように単純に保険商品自体に損金性があり、解約時に払った保険料の多くが戻ってくる保険商品での利益の繰り延べは中小企業においてもかなり一般的な手法であった。


一方、生命保険と保険税務を駆使して様々なスキームに組み込んだものもあり「経営者の法人からの借入金返済プラン」、法人の資産を経営者個人へ移すため、低解約払戻期間中に契約者変更を行う「逓増定期、名義書き換えプラン」、税務上有利に法人の資産を役員個人等に移す「逆ハーフタックスプラン」などあまり一般的ではないが生命保険と税務を駆使した使われ方も存在している。


昨年1月に逆ハーフタックスプランの税務取扱について最高裁判決がでたことにより、積極的に販売する保険募集人が増えたようで、昨年はこの「逆ハーフタックスプラン」に関する話題を耳にする機会が多かった気がする。そこで、今回はこの逆ハーフタックスプランについてご案内しようと思う。


そもそもハーフタックスプランとは、企業が役員・従業員の福利厚生を目的として加入する保険で、役員・従業員全員又は合理的基準により選定した者全員を被保険者(保障の対象)とする養老保険(満期金のある死亡保障)契約のことを指す。法人の経理上は、死亡保険金を遺族が受け取り、満期金を会社が受取ることで、支払った保険料の1/2は資産計上、1/2は損金(ハーフタックス)として処理ができるというものである。(法人税基本通達9-3-4)

 

この受取人を逆にしたもの、すなわち死亡保険金を会社が受取り、満期金を役員・従業員が受取る形の養老保険契約を「逆ハーフタックスプラン」と呼んでいる。法人税基本通達に明確な記載がないことから、支払保険料の1/2は保険料として損金処理、1/2は役員・従業員に対する給与損金として処理し、結果的に企業としては全額損金処理が可能で企業の資産を役員個人等に税務上有利に移すことができるとして販売してきたものだ。


契約者
被保険者
死亡保険金受取人
満期金受取人

ハーフタックス

プラン

会 社
役員・従業員
役員・従業員の遺族
会 社

ハーフタックス

プラン

会 社

役員・従業員

 

この「逆ハーフタックスプラン」での税務上の問題点として、役員等の個人が受け取る満期金の課税方法(一時所得)について長い間争われてきた。そして2012年1月に最高裁判所によって判決が出された。


一時所得の課税価格 = 総収入額 - 収入を得るために支出した額


問題となったのは、この支出した額が①企業が払った保険料全額を指すのか、②給与として損金扱いされなかった保険料の1/2を指すのかという点である。


満期金4,000万円を役員が受け取ったケースで、法人の支払保険料4,000万円
(給与損金2,000万円、保険料損金2,000万円として処理済)。

① 4,000万円-4,000万円=0(非課税)
 

②4,000万円-2,000万円=2,000万円

最高裁はこちらを支持


この判決によって「逆ハーフタックス」の所得税課税方法については決着がついたわけだが、養老保険の被保険者についての合理的基準等については触れられないままの判決となり、全てがクリアになったとは必ずしも言いきれない。そのようなこともあってか、生命保険会社もこの「逆ハーフタックスプラン」での養老保険販売については販売規制をしている会社もあるようだ。


逆ハーフタックスプランに限らず、法人税基本通達の言葉の隙間を利用した生命保険の販売スキームについては、人により解釈の分かれるところで良いとも悪いともいえないが、少なくとも節税目的で加入した生命保険は租税回避行為とみなされる可能性があるということだけは認識しておいてほしい。


また、当然だが損金算入を認めるか否認するかを決めるのは、生命保険募集人でも税理士・会計士でもなく国税局であり税務署であるということ。そして、最終的なリスクを負うのは企業自身だという事を認識した上で、しっかりと情報収集に基づき節税と称される保険商品の導入判断をしてほしいものだ。



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