保険仲立人によるコラム 2012.12.1

一般世帯での相続問題<遺産分割②>


先月は遺産相続に関して納税資金対策などの記述をしたが、今回は同じ相続問題でも少し角度を変えて遺産分割で直面する具体的問題について触れてみたいと思う。2008年以降4年連続で遺産分割調停の申立件数が増加、10年前に比べると27%も増加している(司法統計年報より)。これは家という共同体意識の希薄化や長引く不況の為、相続人の「相続できるものは相続したい」という権利主張が高まっているのが要因とみられている。

 

繰り返しになるが、相続は決して資産家だけの話ではない。むしろ、相続税のかからない一般世帯の方が、相続が争続に発展する確率が高いと言っても過言ではない。今のところ相続税の課税対象となっているのは国民全体の約4%だと言われている。しかし、明らかに相続税の課税対象となるいわゆる資産家はそれなりの対応をとっているもので、むしろ我が家は資産家ではないので相続問題なんか関係ないという世帯でのトラブルが増加している。


相続問題は納税資金問題と遺産分割問題の2つがあり、一般世帯の場合、相続税の納税対策は必要ないかもしれないが、相続人(子供など)が2名以上いる世帯では遺産分割対策が重要となってくる。すべての相続案件が争続となっているわけではないが相続というのは、とにかくトラブルになり易いという事を認識したうえで、被相続人(通常は親)が分割対策を行っておいてほしいものだ。「うちの子は仲良く分けてくれるだろう」という資産を譲る側と、「貰えるものは1円でも多く欲しい」という貰う側の意識の差が大きく、これが後に資産を巡り兄弟・姉妹の関係にヒビが入る要因となるのだ。


「特別受益と寄与分」

よくあるケースとして、長男が家を継いでいくものとして親から住宅購入資金の援助をしてもらっており、嫁いだ長女が長男の住宅購入の資金援助分を考慮して遺産分割すべきだと主張をするケースや長男夫婦が何年間も親の介護をしていた対価として次男よりも分割割合を多く主張するケースなどがあげられる。

法的には住宅購入資金の援助は特別受益とみなされ、相続財産に含めて分割協議しなければならないし、介護などでいくら親の面倒をみていても親の財産を維持・増加させたという事にはならず、長男に寄与分は認められないことが一般的である。このように法律上の遺産分割というのは、「家を継ぐから」とか、「身体的な面倒をみていた」などという事は考慮されない為、遺言という被相続人(親)の意思が大変重要になってくるのである。

最後に相続の話をすると必ず驚かれる話題があるので、ひとつ紹介して終りにしようと思う。相続財産のなかで生命保険の保険金というのは「受取人固有の財産」という位置づけになっている。この「受取人固有の財産」という事でどのような事が起こるかというと、仮に資産より借金の方が多くして親が亡くなってしまった場合、相続人は相続を放棄することができる。しかし、相続放棄をしても生命保険の受取人という権利は、「受取人固有の財産」なので保険金を受取ることが可能だ。

雑な言い方をすると、借金は相続放棄で清算され、生命保険だけは受取ることが可能だという事だ。だからと言って借金を増やして生命保険を高額にかけるということを勧めている訳ではないが、法律を知っているか否かの差で大きな違いが出てくるこという事実だけは知っておいてほしいものだ。

 


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