保険仲立人によるコラム 2011.12.1

欠如した危機管理体制<日本におけるリスクマネジメント>

今年は、3.11の東日本大震災と福島第一原発を抜きには語れない一年であった。組織のトップたる人物のリスク認識の欠如と危機対応能力の未熟さが東日本大震災と福島第一原発における被害の傷口を広げる結果を招いたと言わざるを得ない。企業・行政の危機管理能力及びリスクマネジメント能力が問われ、日本国全体の危機管理能力の甘さを露呈した2011年であった。なぜ日本において危機管理能力やリスクマネジメント能力が向上しないのか?超エリート集団ともいわれる一流企業においてもリスク管理・リスク対策ができないのはなぜなのか?


狭義の意味でのリスクマネジメントとも言われる「近代保険制度」は1867年、福澤諭吉が欧米への旅により経た知識を記した「西洋旅案内」で紹介されたものが始まりと言われている。つまりリスク管理・危機管理という意識が発達する前に「保険」という仕組みだけが輸入されたことも、我が国においてリスクマネジメントが発達してこなかった一因と言えるのではないだろうか。そしてこの輸入された保険制度は、長い間大蔵省の管理行政の下、銀行の規制と同じいわゆる護送船団方式という傘の中でその歴史の大半を過ごしてきたため保険商品ありきとなり、リスクマネジメントという概念が後回しになってしまったのである。どこで保険をつけても保険料・補償内容とも同じという状態は、商品性・価格性での競争原理が働かなくなったことを意味し、資金的要因、企業系列的要因、人的要因などがリスク転嫁としての保険購入先(保険会社・保険代理店)を選定する要素の大部分となってしまった。       

私個人としても保険ブローカーとして直接クライアントに接する機会があるが、クライアントからの質問でどこの保険会社の保険料が安いか?保険料を抑えるにはどうしたらよいか?ということは熱心に質問されるが、「集中豪雨で店舗が水に浸かってしまった場合、保険でどこまでカバーされるか?」「隣が火事になって営業ができなくなった場合、加入している保険でどこまでカバーしてくれるのか?」など起こり得る具体的事例と補償について質問される事は多くはない。それは企業が、保険事故が発生することを前提として保険加入をしていない事を意味するのではないだろうか?単に「想定外」と言うだけなら誰にでもできる。「集中豪雨が発生することは想定外」、「隣で火事が起きる事は想定外」。しかし、現実には想定外であろうとなかろうと企業は存続していかなければならない。想定外を想定内にする、単なる保険料比較からリスクマネジメントとしての保険調達への意識の転換、これが今後の企業存続の鍵と言えるのではないだろうか。
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