保険仲立人によるコラム 2011.1.1

火災の延焼に関する業界の常識と一般人の常識

新しい年がスタートしました。今年は、どのような年になるのか?また、どのような年にすることができるのか?始まりはいつも希望に満ちていて良いものです。さて、今回のテーマですが、冬場の乾燥した季節に多い火災についてです。なかでも企業担当者とこの話をするといつも驚かれる『火災による延焼』に今回はスポットをあててみたいと思います。


初めに少しだけ法律の話をさせて頂くと、日本では、火災に関する法律として「失火ノ責任ニ関スル法律」(以後、失火責任法と呼ぶ)という1条のみからなる短い法律があります。通常、他人に損害を与えた場合(民法709条不法行為による)、損害賠償責任を負うことになりますが、失火については、故意・重過失があった場合のみ損害賠償責任を負う事になっています。言い換えると、故意・重過失でなければ延焼した隣の損害を賠償する義務はないという事になります。延焼させられた方からすると「燃やされ損」と言えなくはないですが、日本には木造家屋が多いという事情があったことから、民法の規定をそのまま適用すると失火者に過大な責任を課すこととなる為、故意又は重過失がある場合のみ損害賠償責任を負うとされた経緯があります。

但し、気を付けておかなければならない事は、債務不履行に基づく損害賠償については失火責任法の適用がないということ。例えば、テナントなど店舗を借りて営業を行っている場合など、貸主に対しては原状回復して返還しなければならない義務があります。失火責任法により民法上の不法行為は免れるものの、債務不履行に基づく賠償責任は免れることはできません。したがって不動産を借りる場合、借家人賠償責任保険を手配する必要がでてくるのです。

住宅の火災保険では、類焼損害担保特約というものができ、特約保険料を払えば、法的な賠償義務はないにもかかわらず、類焼について1億円限度に保険対応ができるような特約がここ数年で各社から発売されています。しかしながら今のところ、一般事務所、店舗、工場などにはこのような特約がないのが現状です。


この、失火責任法というのは保険業界では常識なのですが、一般の方からすると「火事を起こした人が弁償するのが常識だろう」という「業界の常識は一般人の非常識」という典型的なものと言えるのではないでしょうか?

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