保険仲立人によるコラム 2010.11.1

自然災害と粗利益減少リスク

平成21年7月、福岡では1時間に110ミリという強烈な豪雨が町を襲った。福岡市中心部を流れる那珂川上流に位置する南畑ダム決壊の恐れがあり、ダムの放流が検討されたが、結果的にダムの放流は行われず福岡中心部が水没という最悪の事態は避ける事ができた。しかしながら各地に甚大な被害をもたらし、復旧までにかなりの費用と時間を要してしまった。

今回は、その中で弊社が携わった事例をひとつ紹介します。この企業は、福岡市内中心部にて地下1階地上3階の建物にてサービス業を営む(1日あたりの粗利益が約70万円)の優良企業です。火災保険も長い期間加入しており、これまで数十年間保険金の支払は一切ありませんでした。その企業が今回の豪雨にて浸水を被ったのです。


連絡を受け、翌日朝一番で被害状況を確認するため、店舗へ駆けつけてみると通常の浸水被害とは何か違う。1階フロアは水に濡れた形跡すらなく通常通り営業できそうな様子である。事情を聴くと1階フロアは店舗前の道路の水が押し寄せてきたが、入口付近を雑巾などで防いだため浸水はなかったとのこと。そして、問題の地下部分は泥水につかり排水ポンプで水をくみ上げている所だった。通常、浸水というと床上まで水が溢れ、それが地下へ流れこむものを想像するが、今回の浸水については通常の浸水と違い、地下部分の壁面接合部の劣化により地中の水がしみ出て浸水したものだった。さて、この場合保険支払であるが、火災保険では水災による支払は床上浸水又は地盤面から45㎝以上の浸水が一般的な基準となる。残念ながらどちらにも該当せず、今回の浸水被害は保険支払対象とならず火災保険からは1円もでないという結論であった。

さて弊社では、特に店舗等の火災リスクを検討する際、火災保険と合わせて店舗休業保険・企業費用利益保険を合わせて検討頂くようにしている。万が一罹災した場合、火災保険で店舗は元どおりになっても営業再開するまでの間の売上及び利益は確保できません。逆に固定費(社員の給料・リース料など)の出費は免れる事ができず復旧までの期間が長くなればなる程、経営を圧迫することになります。この粗利益の減少部分を補償するのが店舗休業保険や企業費用利益保険となる。火災保険と違い床上浸水や地盤面から45㎝以上などの条件はなく、自然災害により店舗が損害を被り休業した場合が保険金支払い要件となる。今回のこの企業に関しては店舗休業保険にも加入しており、火災保険からは出なかったが店舗休業保険からの保険金支払を受ける事ができ、復旧までの9日間の粗利益約630万円について保険金を受取る事ができた。

企業のリスクマネジメントの観点から考えると、火災等による建物の復旧費用とその間の粗利益の補償は本来セットで考えるべきものだと言えます。安定した事業継続を考える上で、また上記事例からも火災保険だけでは企業のリスク管理という点から言うと片手落ちだと言うことが分かると思います。


※事例についてはプライバシー保護の観点から一部内容を変更して記載しております。

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